雄略天皇は物部菟代宿禰・物部目連を遣わして伊勢朝日郎を討たせた。
朝日郎は官軍が来ると聞いて伊賀の青墓で迎え戦った。
自ら射撃の上手さを誇って官軍に「朝日郎の相手をするのは誰か」と言った。
その放つ矢は二重の甲を貫いた。官軍はみな恐懼した。
菟代宿禰は敢えて進撃せずに対峙すること二日一夜。
物部目連は自ら大刀をとり、筑紫の聞の物部大斧手に楯をとらせ、雄叫びをあげて進んだ。
朝日郎は遠くから眺めて大斧手の楯と二重の甲を射通した。さらに体にも一寸入った。
大斧手は楯で物部目連を守った。
目連は朝日郎を捕えて斬った。
【日本書紀 巻第十四 雄略天皇十八年八月戊申条】